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OBSでマイクのノイズを抑える方法とは?ノイズ抑制・ノイズゲートの使い方やおすすめプラグインを徹底解説

stlab(すとらぼ)

今回の記事は、OBS標準搭載の機能を使用し、マイクに乗ったノイズを消す方法を説明します。

以下で紹介する方法を駆使すれば、エアコンの駆動音、キーボードやマウスのカチカチ音、別の部屋や外から聞こえるその他の生活音、といったノイズを除去することができます。

OBSのフィルタを活用する

OBSには、「フィルタ」という機能が用意されています。フィルタは、初期付属のプラグインのようなもので、いくつかの種類があり、中には音声のノイズ対策ができるものが存在します。


フィルタは以下の手順で開くことができます。

①OBSを開き、処理を適用したいマイクの横にある「︙」をクリック

②「フィルタ」をクリック

説明用画像1


③以下のようなウィンドウが開くので、左下の「+」をクリック

④フィルタ一覧が表示されるので、クリックして追加する

このうち、ノイズ処理に関係するものは「ノイズ抑制」「ノイズゲート」です。(詳細は以下で解説します)

説明用画像2

①ノイズ抑制

ノイズ抑制は、音声の中からノイズの波形を見つけ出し軽減するフィルタです。後述のノイズゲートと比べ、極端なことをしなければ音声も崩壊しづらく、使いやすい機能です。

RNNoise

説明用画像3

RNNoiseはAIがノイズを自動判定して自動処理してくれるフィルタです。パラメーターの設定などが不要にも関わらず、キーボードやマウスの音など、自分の声以外のノイズを的確に低減します。

高品質でお手軽と良いことばかりですが、その他の処理方式と比べ、CPUに負荷がかかります。

また、比較的綺麗とはいえ、わずかながら自身の声にも影響は出ることがあるので、期待しすぎは禁物です。例えば、声質が違って聞こえる、「プ」「シュ」「チ」「ス」などの音が消えてしまう、などの影響が考えられます。

基本的にはこれを使用すれば問題ありませんが、不具合が生じた場合は別の方法を利用します。

RNNoiseが選択できない場合はOBSをアップデートしましょう。

Speex

説明用画像4

以前からOBSに内蔵されているノイズ抑制フィルタはこちらです。「抑制レベル」のツマミの位置で抑制のかかり具合を調整します。

左に動かす(マイナスの値が大きくなる)ほどかかり具合が大きく、右に動かすほどかかり具合が弱くなります。この値は個人の環境によって最適な位置が変わるので、色々試してみてください。

かけすぎには注意しましょう。抑制レベルが大きくなるほど、声の成分にも抑制が大きくかかり、音声が歪んでしまいます。フィルタは、かけずに済むなら、かけないのが一番です。設定中はかければかけるほどいい音になっている気がしてしまうのですが、実際そんなことはないので、時間を置いてもう一度チェックしてみましょう。

NVIDIA Noise Removal

こちらはデフォルト搭載の機能ではありません。GeforceRTXシリーズのグラフィックボードを使っているなら、必要なドライバをインストールすることで使用できます。(GTXシリーズは非対応)

前述の2つがCPUを使用したノイズ抑制だったのに対し、こちらはGPUを使用したAIノイズ抑制を行います。もしRTXシリーズのグラフィックボードを搭載したPCを使用しているなら、試してみるのも良いかもしれません。

以下のページの「オーディオエフェクト」から、「NVIDIA Broadcast Audio Effects SDK」をインストールすると、フィルタ一覧に表示されるようになります。

NVIDIA Broadcast ダウンロード センター

上述のSpeexと同じように、「Suppression Intensity」の値を変更することでかかり具合が調整できます。

②ノイズゲート

説明用画像5

ノイズゲートは、「ノイズ抑制」とは異なる考え方の処理方法です。設定した値(しきい値)より小さい音量しか入力されていない場合、音声全体を自動でカット(ミュート)します。

メリットは、適切に設定してあげれば、喋っていない間はノイズが一切入らないことです。しかし、その特性上、設定値が適切でないと、小声の喋り声や、小さい「ッ」の音を自動で切ってしまうなどの違和感が生じます。

設定の難易度は他と比べて高く、マイクと顔の距離などによっても適正値が変わってきます。案外、マイクと顔の距離を一定に保ちながら長時間喋り続けるのは難しいことです。その他のフィルターでノイズ除去を検討したほうが良いかもしれません。

ノイズゲートの設定

ノイズゲートは、ノイズ抑制に比べ少々設定できるパラメータが多いです。

  • 閉鎖しきい値:これより音量が小さくなったら、ゲートがかかり音声がミュートになる
  • 開放しきい値:これより音量が大きくなったら、ゲートが解除される
  • ・動作開始時間:音量が開放しきい値を超えてから、ミュートを解除するまでの時間
  • ・保持時間:動作開始時間を超えてから、ミュートを解除し続ける時間
  • ・解除時間:音量が閉鎖しきい値を下回ってから、ミュートがかかるまでの時間

基本的には「閉鎖しきい値」「開放しきい値」を変更して調整します。2つの数値の間隔をデフォルトの値を保つために、両方同時に調整しましょう。喋っている声が上手く入りきらないときは両方のバーを左に、ノイズがカットしきれないときは両方のバーを右に動かします。(Discordの入力感度設定と同じ仕組みです。)

慣れない場合は、他のパラメータの調整はしなくて大丈夫です。調整する場合、例えば、「音声がいきなりパツっと無音になりすぎる!」というときには動作開始時間を調整します。

ノイズゲートを適切に設定しても、想像通りの音にはなりにくいです。ただし、ゲームのBGMが流れていたりすると違和感は少し低減します。

音声処理プラグインを購入して使う

「フィルタ」機能では自分で用意したプラグインを使用することも出来ます。

「VST」という音楽制作に用いる形式のプラグインであればどれも使用できるはずなのですが、OBSとの相性問題があり、実際には使用できないVSTも存在します。

以下で紹介するのは筆者が実際にOBSで動作確認済みのもののうち、おすすめのものです。これらは「フィルタ」内の「VST 2.x プラグイン」から使用できます。購入する余裕がある人は、圧倒的にこれらをおすすめします。


<iZotope RXシリーズ>

テレビや音楽業界などをはじめとした映像・音声分野において、業界標準のソフトウェアバンドル(セット)です。かなり自然かつ綺麗にノイズを処理することが出来ます。

Elements/Standard/Advancedと3つのグレードがありますが、Standardがおすすめです。Elementsは安いですが、含まれるソフトが少なく、かゆいところに手が届きません。また、Advancedは全部のソフトが入っていますが、配信にはほぼ使われないものも入っており、高額です。

配信に役立ちそうなプラグインには、以下のようなものがあります。

  • ・De-reverb:部屋鳴りなどの残響を除去。声をもっとマイクに近い感じにしたいときにも
  • ・De-plosive:「プ」「ブ」などの発音(破裂音)の”ポッ”という吹かれノイズを除去
  • ・De-ess:「シュ」「ス」「ツ」「ク」などの発音(歯擦音)の耳が痛くなる高音部分を除去
  • ・Mouth De-click:口の動きによって生じる耳障りなノイズを除去。”ピチャピチャ””ニチャ”という音など
  • ・Spectral De-noise:風の音やエアコンの音など、ノイズを分析して除去
  • ・Spectral Repair:選択した範囲のノイズを分析して目立たないように。椅子のきしみやペットの声など

費用を抑えたい場合は、クロスグレード版を購入することも一つの手です。クロスグレード版とは、「何かしらのiZotope製品を持っている場合、格安で上位グレードを購入できる」というお得意様向けバージョンです。セール中など、場合によっては、Standardを単品購入するより、ElementsとStandardのクロスグレード版を同時購入したほうが安い場合があります。


<ACCUSONUS ERA 6>

ERA6は、誰でも簡単に使えるように設計された音声補正プラグインバンドルです。画面に表示されるつまみを動かし、好みの位置を探すだけで処理できます。

あまり詳しいことはわからない配信者におすすめのシリーズです。Voice Levelerは特に便利で、差しておくだけで声が全部適正音量になります。

STANDARD/PROの2つのグレードがありますが、STANDARDがおすすめです。基本的な機能はSTANDARDに備わっています。

機能は以下の通りです。太字は、特に配信に使うと便利な機能です。

<STANDARD/PRO共にある機能>

  • ・Voice Deepener:声に深みを加える
  • Mouth De-Clicker:口の動きによって生じる耳障りなノイズを除去。”ピチャピチャ””ニチャ”という音など
  • ・Voice AutoEQ :声を聞かせて学習させ、自動でイコライジングして聞きやすく整える
  • Voice Leveler:音量レベルを均一にする
  • ・Reverb Remover:部屋鳴りなどの反響音を除去、声をもっとマイクに近い感じにしたいときにも
  • De-Esser:「シュ」「ス」「ツ」「ク」などの発音(歯擦音)の耳が痛くなる高音部分を除去
  • De-Clipper:音割れの補修
  • Plosive Remover:「プ」「ブ」などの発音(破裂音)の”ポッ”という吹かれノイズを除去
  • Noise Remover:エアコンや換気扇の音などを除去
  • ・Audio Clean-Up Assitant:上記のプラグインをひとまとめにして使いやすくする

<PROのみにある機能>

  • ・Reverb Remover Pro :Reverb Removerの強化版、帯域別に6分割し、より細かく設定ができる
  • ・Noise Remover Pro:Noise Removerの強化版、帯域別に6分割し、より細かく設定ができる
  • ・De-Esser Pro:De-Esserの強化版、帯域の調整や、よりやわらかく/シャープにといった質感設定ができる
  • ・Room Tone Match:録音環境の違う音源同士の反響音や背景ノイズの響きを近づける

まとめ

今回の記事では、OBSのフィルタ機能を使用したノイズの抑え方について解説しました。

しかし、これらはあくまでもノイズの根本的な解決にはなっていません。ノイズフィルタはかけないことに越したことはないので、根本的なノイズの解決を行いたい場合は、以下の記事も参考にしてみてください。

▼ノイズの種類別!解決方法まとめ▼

マイク音声にノイズが乗るときの解決法まとめ!ノイズの種類別に、音が悪いときに試すべきことを徹底解説 | 配信機材 | スコマガ -好きを応援するVTuberメディア-

この記事に関わった人

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執筆

ライブ配信に関わる情報メディア「ストラボ」より移管された記事。執筆者の「ストラボ」は、趣味でゲーム実況をやったり観たりしている20代で、本業は音楽制作会社でディレクター。その関係で、マイクやオーディオインターフェイスには少しこだわりがある。

    藍波

    藍波

    編集

    VTuber知識ゼロの学生ライター。VTuber業界に精通しているluco株式会社の社員たちの監修の下、初心者目線でわからなかったことを記事にまとめ、発信している。最近はお気に入りのモデルを手に入れ、自分が配信活動することを妄想するのが趣味。

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